アンパンチの有効性と有用性
みんなは、アンパンマンは、すきですか?
アンパンマンという、だいざいだから、こどもも、よむかもしれない。
だから、みしゅうがくじの、みんなでも、りかいかのうなように、ひらがなで、これをしるしています。
これ以上は面倒くさいので漢字を使います。いや使う。母親にでも読んでもらいなさい。
ガキは家にでも帰って暖かい格好をして寝てな!寝る前に歯みがきをちゃんとするんだぞ。
皆さんが知っているかどうかは分からないが、日本にはアンパンマンというヒーローがいる。
あらすじを話すと、半つぶあんパン人が、正義の名の下に細菌を駆逐する、という勧善懲悪ヒーローモノだ。
登場するヒーローが、自分の頭をカバやウサギの子どもたちに分け与える、というカニバリズム的様相も孕んでいる。
またこのヒーローは、水が顔にかかると、戦意を喪失する弱点がある。
朝起きたら顔洗わないのかな?ハミガキしなくても大丈夫なのかな?
この勧善懲悪食品ストーリーに登場する悪役が、バイキンマンである。
彼は、何度も何度も悪さをしては、アンパンマンに殴られ、「はーひふーへほー」という捨てゼリフとともに、空の彼方に消えていく。は行好きなんだね。僕はら行が好きです。
突然だが、アンパンマンについての有名な2chのコピペを知っているだろうか。
以下がそのコピペだ
「なんで技名をいちいち叫ぶの?相手が技知ってたら避けるじゃん」
「アンパンマンがいきなりバイキンマンぶん殴ったら子供達泣くだろうが」
これは言い得て妙だ。
確かに、
アンパンマンが「アーンパーンチ!」と叫びながら向かってくれば、バイキンマンも
「アンパンチということは、右ストレートが来るからそれに合わせてクロスカウンターを叩き込んでやるか」と考え、対処ができる。
だかそれをせず、必殺技を叩き込まれることを選んだバイキンマン。
ここには何か理由があるに違いない。
想像してみて欲しい。
カバオくんにイタズラするバイキンマン。
そこに無言で近づくアンパンマン。
「来たなアンパンマン、今日こそは…」
などと言い終わらないうちに、アンパンマンの右ストレート(アンパンチだったもの)が炸裂。
何が起こったか分からぬまま、青い空を飛ぶバイキンマン。
もしかしたら彼は
「今日こそは…思いの丈をぶつけさせてもらうぞッ♡」
と言いたかったのかもしれない。
体育館裏での、パンと菌の禁断の恋物語が始まろうとしてたのかもしれない。
その淡く甘酸っぱい想いを粉砕する無言の一撃。
見ている子どもからすると、バイキンマンが、果たして本当に悪さをしていたのかがわからない。そこに突然発生した暴力。
我々大人ならば、
人を騙したら冷たいメシを食わなければならないように、悪事を働ければケジメをつけなければならない、という脈絡を読み取れるだろう。
しかし、子どもは違う。
バイキンマンの行いに対して、アンパンマンからの説明と正当な裁きがあってこそ、人を困らせることはダメなことなんだ、と学ぶことができる。
そう、
アンパンマンがバイキンマンに悪事を説明し、アンパンチで懲らしめる、という過程から、子どもは人の道である道徳的規範を身につけていくのである。
余談だが、
ほぼ全ての子どもがアンパンマンの「アンパンチ」を見て育っているはずなのに、自分の名前のついた技を繰り出すヤツがいない気がする。
「たかしパンチ」があってもいいじゃないか。
「のぼるキック」や「たけしジャーマンスープレックス」だって
いや、キラキラネームが流行しているこのご時世なら
「穢朱愛羅流堕(エスメラルダ)平手打ち」
もいいかもしれない。
まあ子どもが
「ゆうとタックル!」してきたら
「だいき千本桜景義!」で返り討ちにするつもりだけどな。